仄暗いお散歩

廃墟 廃屋 事件現場 カイラスチャンネル(You Tube)

カテゴリ:廃屋

 一階というべきか、地上部分と呼べばいいのか。 デビュース邸の基礎となる土台部分には倉庫らしきドアがあったが、ドアの鉄板は酷使されたのか、出来の悪いジャガイモみたいに表面がデコボコしていておまけに錆が酷かった。歪んでいて閉まりもしない。ここ十年ぐらい使わ ...





 泥水ギリギリまで滑ってみようと、やる気マンマンで座ってみたが、十数年の歳月は思いのほかコンクリートを削り、すり鉢の溝のようなギザギザを滑り台の表面に作りだしていた。そのままいったら、ズリズリと進まないばかりか、パンツに爪痕のような擦過痕を残すことは確実 ...

 25番と割り振られた住居に入ってみる。 畳敷きの床は沈み込んで土の堆肥になっていそうな塩梅。そこから芽吹いた植物の蔓が、さぁ、これから床面を覆おうか、という前にここは取り崩されてしまう運命にあるのだろう。もうそれは目視できるほどに背後まで迫って来ている。 ...

 青年家主の朝鮮人参酒の箱には、特定失踪者の写真の束が入っているだとか、アダルトグッズかも? なんていう根も葉もない根拠のない噂が飛んでいたが、いざ開けてみると、信じられないことに、未開封の瓶入り朝鮮人参酒が当時買い求めたままの状態で入っていた。 これって ...

 今、僕がいるのは「会堂」と呼ばれる場所。 正面から入って左に「霊前」。中央に「神前」。右に「お結界」がある。 お結界のさらに右には障子戸が立っていた。 障子紙は破けていて中が見渡せた。 中は住居のようにも見えるが、損壊が激しくて判別は不能であった。 障 ...

 北の最果てにて、アイドルとの恋愛に日夜、夢膨らませていた、恋多き少年の、燃えたぎるような心の内を可視化させたような、甘く切ない壁が、僕と対峙する。 ベッドの枕元の壁である。 アーティスト化する前の、アイドルの仕草がぎこちない「中森明菜」。同じ雑誌を買っ ...

 想いを重ねるほど胸掻きむしられるほどに愛しい、雲の上の天使のような憧れのスーパーアイドル「南野陽子」と、眠りに落ちるまでのひと時、そして、夢空間でさえ、一緒にいられたらどんなに幸せかと、決して裕福でなかっただろう家のなけなしのお小遣いから工面した僅かば ...

 途切れることのない、隣家からの薪割りの音が、なぜか懐かしく感じられる。 久しぶりに聞いたような、その安定した等間隔の脈打つような手慣れた力のこもった熟練者による、斧を寡黙に振り下ろす、鼓膜を弾くように響く、渇いた、カッツシーンという、破砕音    これ ...

 廃屋の階段を二階へと上がって行く。階段を一歩一歩踏みしめる際に片方の足にのしかかる自重が、想像以上に階段の踏み板を撓ませ、それが壁に伝って小刻みに壁表面を震わせて、少し遅れてから家全体を揺り動かすような、酔いのような揺れを生じさせた。 その場でじっとす ...

 青年家主の部屋手前にあった小さな洗面所は、隣接する三軒長屋の廃屋撤去の工事をする際に、境界線上にあったからなのか、もぎ取られるようについでに取り壊されてしまったようであった。 その洗面所のあった部分には大きな抜け穴のような、人ひとり通れる亀裂が出来てお ...

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