杉並区の何の変哲もない住宅街の一角。突如として出現する、近所の人もこわごわ気持ち離れて行き来する、鬱蒼とした森 その森の中に眠り続けていた、怪しげな廃屋群。 台所から裏庭を見渡してみる。 ガスが補充されないまま数十年のプロパンガスのボンベ。独身貴 ...
カテゴリ:廃屋
「さようなら、廃屋生き仙人!」廃屋生き仙人との友情.5
生き仙人邸周囲の路上清掃も兼ねた午後のひと時の周遊散歩を済ませ、足取りも軽く、お顔は晴れやかに、邸宅敷地内部へとまた僕を招き寄せる、廃屋生き仙人 「こっち側はまだだっけ?」 生き仙人さんが「東屋(あずまや)」と呼ぶ、障子紙の戸が玄関という建物の向か ...
「オカルト学習法に傾倒する家主」都会の秘境、森の中に眠る空き家群落.6
家主の書斎。机の横に掛け軸。アイヌ民族が描かれている。 ちなみに、僕が北海道で知り合った余市の人で、日本人にしてはやけに浅黒くて、彫りの深い人がいた。本人はこれっぽっちもそのような素振りや、言動は無いものの、おそらく、アイヌの血が混じっているのだろうと ...
「封印された家主の青春」都会の秘境、森の中に眠る空き家群落.5
東京の街中、とある住宅街の森の中に人知れず眠っていた、空き家群落。 橋の上で唐傘を開いてバッチリ決め、写真に収まっていた謎の若者集団の一行、今度は落ち葉で埋まった公園にてご満悦の様子。 落ち葉を巻き上げて降らしてみたものの、案外砂でザラザラだなと、手も ...
「周遊する、廃屋生き仙人」廃屋生き仙人との友情.4
「土地は絶対売らない。これ以上、外者(そともの)が来るのを阻止したいから・・・」 土着原理主義者であるのか、廃屋生き仙人さんはそう吐き捨て、組んでいた腕をキュッと硬く締め直す。 以前は近所の人も皆、昔からの知り合いだったが、まず、バブル期に近隣で土地を売る ...
「竹林に潜む限界家屋」都会の秘境、森の中に眠る空き家群落.4
背中のカメラバッグを引っ掛けてしまい、ギギギッと、弓の弦(つる)のようにしならせ杭を若干傾ける。ここでオロオロしていてはひと騒動になってしまうので、プチンと背中で弾けて舞う砂埃が左頬を舞うのを感じるやいなや、体はそれより先にというぐらいに、必死に誰かか ...
「外へ出た、廃屋生き仙人」廃屋生き仙人との友情.3
廃屋生き仙人さんはそっと僕の耳元で囁いた 「日本がリセットされるよ」と。 僕へ対して執拗に警鐘を発し、来るべきその日に備えて、準備だけはしておけよと、具体的な商品名などもあげ、日本の行く先を憂う男が、今日もその日への準備に余念がない様子。 数百坪は ...
「廃墟老人の知恵」 港区虎ノ門、廃墟集落を行く.5
港区虎ノ門のゴーストタウン内で唯一、営業中のクリーニング屋さんのある路地の最奥部まで行ってみる。 向かい合うどちらもがやはり廃屋の様子。 こちらの木造民家の古さはかなりのもの。 念のために電気メーターを確認したが、一ミリも動く気配は無い。 今にもレース ...
「廃墟写真がもたらした病状」都会の秘境、森の中に眠る空き家群落.3
事前のネット調査では見過ごしていた、アナザー廃屋集落を偶然に発見。 屋根から壁に覆いかぶさり増殖するヘデラの群生。 かち割れた大木とシュロの間には大胆にも縄が張られていていて、メタリックな不燃性の車のカバーが干してある。 車は無さそうなのに、どういった ...
「心を開いた、廃屋生き仙人」廃屋生き仙人との友情.2
廃屋生き仙人こと、Iさんが不意の訪問者である僕に、比較的ためらいもなく心を開いてくれたのは、ある偶然に偶然が重なってのことだった。 何しろ見ての通り、これなのだから、長年の経験を元に廃屋であるという判断を下してしまった、怪しげな僕を発見し、家主であるIさ ...