仄暗いお散歩

廃墟、廃屋、空き家、所有者不明土地、残留物

カテゴリ:東京

 二階の階段を僕が下り始めると、ガクッ、ガタッ、ギギギ、という音が階下から響いてきた。 矢継ぎ早に、摺り足気味にコンクリートの通路を歩く擦過音がしたかと思うと、僕の視界を一人の男が右から左に横切ったのだ。 紛れもなく、彼は一階の何れかの部屋にいたに違いな ...





 鉄骨を蝕む錆。経年劣化で砕けゆくコンクリート。行き交う近所の住人は、腫れ物に触るか汚物を避けるがごとく、あっちの方に視線をやり、存在に蓋をしようとしているのか。生と死の間を漂流する二棟続きの廃アパート   。 長期に渡って放置されているものばかりと思っ ...

 痛みが激しく装甲が脆弱になっていそうなことから各部屋に入れそうなので目をつけてみた今回の物件。 ここについて書かれたものを二三目を通してみたがどれも十年前ぐらいのもので現状を反映しているとは言いにくそうだ。殊に当時でさえ少なく見えた残留物などはほとんど ...

 青年家主の朝鮮人参酒の箱には、特定失踪者の写真の束が入っているだとか、アダルトグッズかも? なんていう根も葉もない根拠のない噂が飛んでいたが、いざ開けてみると、信じられないことに、未開封の瓶入り朝鮮人参酒が当時買い求めたままの状態で入っていた。 これって ...

 誰がそう呼んだか、東京都杉並区のややもすればとある森に密かに封印され秘されていた、大都会の秘境、青年家主の空き家群落     青年家主の勉強机の  心の中で手を合わせ”しのびない”と思いながらも、空き家群落地上からの消滅を間近に控え、彼の謎に包まれた生 ...

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