仄暗いお散歩

廃墟 廃屋 事件現場 カイラスチャンネル(You Tube)

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 カミオン少年の家のトイレ前。 物置みたいな、耳障りな音が響き渡りそうな木製の引き戸。 昔の喫茶店にあったような、女性用を示すプラスティック製のプレートが貼ってある。 個人の家だったら男女兼用のはずである。使用実態もそうだったであろう。 わざわざプレート ...





 COLUMBIA製ステレオコンポーネントシステム。 略して「コンポ」と呼んでいたことを、今、思い出した。 転居先に持って行こうと、玄関先で迷ったのか。入り口付近に名残惜しそうに置かれていた。 二昔前ぐらいの少年にとっては夢の音響機器。これさえ手に入れたら、家に ...

 ブロック塀の笠木にこんもりと盛られたような苔。顔を1cmまで近づけ、目で追いながら進んで行くと、いつの間にか家を一周し終わっていた。 北海道でもないのに、ごく普通の民家の庭に灯油用のタンクが備えてある。 陸の孤島のような田浦廃村。ガソリンスタンドなど遥か彼 ...

 台所の次はお風呂場に移動した。飛ばそうかとも思ったが、浴槽の蓋を捲れば何か面白い物が見られるんじゃないかと、貪欲な僕は、ここでも見逃すことは出来なかった。 壁を突き破って木の枝が浴槽に絡まりかけている。 浴槽の蓋は開いたままで、特にネタになりそうな物は ...

 敷地背後に控える山の中にも住宅地を造成していた田浦廃村。 家の前の坂は思いのほか傾斜がきつくて少し登っただけで息切れがした。持参したペットボトル入のミネラルウォーターを口に含んで喉を潤す。 かつての住人はこれが毎日だったので、さぞご苦労をされたことでし ...

 予想以上に進行していた、田浦廃村の解体作業。 空き家という空き家の死屍累々と折り重なる廃材の上を、器用にバランスを保ちながら、果敢に前へ進んで行った。 振り返ると、口をあんぐり開けたまま僕を放心状態で見送る宗典邸が、何か言いたげであった。『カイラスさん ...

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